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『千年相姦』八章 七年前 親仔喧嘩の始まり(5/12)

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一ヶ月ぶりの「千年相姦」更新になります。
自分でもどこまで進めていたか忘れてしまっています。
七年前の十一歳クルルー視点の第5回目ですね。
状況としては、〈千年森〉と触手プレイに興じる養親の姿をクルルーが見ている、というものですね。
そのさなかでクルルーの意識が深層世界に繋がり、観念的な展開になっています。
さて今回はざっくりいうとレフィナの〈千年森〉とサフランの〈千年森〉のあり方の違い、みたいな感じですね。
レフィナは「個」を確立することで永遠を獲得した存在、サフランは「個」を喪失する代わりに生殖をすることで「永遠」を獲得した存在として描かれています。
またクルルーの、女性(雌)を軽蔑しながら崇拝もしているという歪んだ自意識の奈辺が今回明かされています。
レフィナの姿がショックなのにその姿に興奮していて自慰行為がやめられないのですね。
それがクルルーののちの交配観(セックス観)に繋がっています。
あ〜なんかものっそい分かりづらいですね、途切れ途切れな上に文章が稚拙&観念的だから。三年前の作品ということでご了承ください、すみません……。
というわけで、一ヶ月ぶりの続きです、どうぞ。


【今回登場する登場人物】
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クルルー(11歳)レフィナ(年齢不詳)


八章 七年前 親仔喧嘩の始まり(5/12)


 けれどサフランは憎まなかった。
「乳が張る」から、もう一つの〈千年森〉に赴きもした。本能に突き動かされるまま、僕を奪い返そうとあがきもした。
 けれどそれはそれだけのことだった。
 もう一つの〈千年森〉の、意志の力のほうが、勝った。
 わたしだけを見つめて欲しいという孤独の希求が……。
 もう一つの〈千年森〉の主は、孤独という意味に囚われて生きてきたキトゥンだった。永遠という意味を模索しながら生きてきたキトゥンだった。
 だから、〈千年森〉が応えた。
 永遠を与えた。
 けれど皮肉にも、その永遠が、そのキトゥンを孤独に追いやっていった。
 永遠。
 それは、永続的に変わらない「命の形」ということだった。
 でも形があるからこそ「永遠」は瓦解する。
 形あるものは、どうしても変質してしまうからだ。
 サフランはだから、変質を繋ぎ合わせることで永遠を獲得した。永続させるのではなく繋ぎ合わせることで、継ぎはぎだらけの永遠を構築していったのだ。
 それこそは『交配』だ。
『交配』の基礎を形づくったキトゥンの始祖……。
 一方『個』が永遠に続く道を模索したのがレフィナ、正確にいうと、もう一つの〈千年森〉の意志だった。
 流れ込んでくる記憶……この世界の成り立ち。
 巨大樹とレフィナの交信から。
 僕は……、僕はいつしか、下衣を脱ぎ払い、目の前の光景と間接的に「接続」していた。
「はぁっ、はぁっ……」
 頭が白く濁る。濁っているのに、次から次に言葉、もっというなら「情報」が流れ込んできて、僕の頭は割れるようにずきずきと痛み、重くなる。抱えきれない。
 けれど僕はこの場から離れられない。
 僕もこの『交合』に加わっているから……。
 これは、洗礼だ。
 僕は、「それ」(※クルルーパパのこと)から、ぐちゃぐちゃの形した「破壊衝動」をしっかり受け継いだ。それなら、それを活かさなきゃ。
 いつか、いつか、いつか、いつか……。
 生きたいから、生きたいと願う気持ち。
 世界を壊してやるまでは、死にたくないという気持ち。
 温かい寝床は、落ち着いて安らぐ。
 温かい寝床は、実は僕の知らない一面を併せもっていたという、残酷な事実。
 ……僕を庇護してきた母は、母なんかじゃなくって……。
 とってもとっても、いやらしい雌だったんだ、って……。
「はぁっ、んぅっ、レフィ、きれい、きれい、だよ……」
 温かなものは、落ち着く。でも、落ち着くものは、生物の心に「美」を呼び覚まさない。
「はぁ、はぁ、んくっ、熱い、身体が……レフィー、レフィー、僕も、触りたい、あぁ、……そこ、に」
「美」が呼び覚まされるのは、いつだって心が緊張しているとき。落ち着かないとき。
「あっ、やらしいっ、やらしい、よっ、レフィナっ、どうしてっ、どうしてっ、どうしてっ……!」
 レフィナと一緒に食べた腐りかけのヌイの実、レフィナが憮然としながら食卓に出す緑の茹で野菜、ニンゲン経由の胡散臭い塩……。
 森色の襤褸。
 固くてごわごわした。
 厳しい口調。
 凍てついた、その希有な色の瞳。
 金色と水色の。
 その中心に走った亀裂。
 亀裂……。
 亀裂。
 その、『もう一つの』亀裂に。
 今。
〈千年森〉の本体が、浸食する……。


次の更新は2/1(金)を予定しております。
2019-01-15 : 小説・「千年相姦」 : コメント : 8 :
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scriviamo! 2019 参加作品

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冬の風物詩である「scriviamo! 2019」に今年も参加させていただきます。
「scriviamo!」をご存知ない方のためにご説明させていただきますと、「scriviamo!」というのはイタリア語で「一緒に書きましょう」という意味だそうで、その名の通り記事や作品を通して交流しようという、「scribo ergo sum」の八少女 夕さんの粋な試みです。これを、毎年(今年で七年目!)敢行されておられるのですよ……!
どんな変化球にも柔軟に打ち返しどんな無理難題にも応えるその姿はまさに神業で、わたしもそんな夕さんの離れ業についつい甘えてしまって毎年暴球を投げさせていただいているのですが、今年もご多聞にもれず暴球(^^;)
一つ言い訳させていただきますと、わたしが毎回ギャグで参戦するのは変にシリアス土俵で勝負して原作で完結しているキャラの心情をかき回したくないとの想いからです。
ですので、あくまでこれから発表する作品は、canariaの一妄想ということで、決してキャラを冒涜してのことではないということだけは、強く、強くお伝えさえていただきたいと思います……!
今年も昨年に引き続きファインダーシリーズより「郷愁の丘」で某シマウマ博士とジョルジアをお借りさせていただきました。
あくまで別世界のギャグとしてお楽しみいただければ……と思います。
そ、それでは、どうぞ……(弱気

 ここに一冊の薄い本がある。
 薄い本──いわゆるサブカル界隈でいうところの「同人誌」である。その本の持つ性格から彼らは自嘲とそれ以上の「愛」を込めて同人誌を「薄い本」とそう呼び習わす。彼らなりの愛のこもった「隠語」である。
 さてその薄い本であるが、作者名は「canaria」とある。稚拙ではあるがどことなく愛の感じられる表紙絵だった。髭をたくわえた気弱そうな男性と、清楚な雰囲気の美女が微笑みあっている構図である。
「canaria」という名前の上にでかでかと「郷愁の丘 妄♡想♡本」と蛍光ピンクの箔押し文字が乗っかっている。中身を開くと、デジタル着色の派手な表紙に反して細かな白黒の文字が書き連ねられている。その薄い本は小説同人誌なのだった。
 なんとなく惹かれるものがあって私はページをめくってみることにした。
 そこには荒唐無稽な話が書き連ねられていた。
 私は絶句した。
※※※

 グレッグはここのところ幸せの絶頂であった。
 なぜなら長年思い続けてきたジョルジアと夫婦になれたからである。
 朝起きるとジョルジアの美しい顔が横にある。グレッグはその寝顔を見るたびに「よっしゃ!」と胸の中でガッツポーズを取るのだった。断っておくがこれは一介のファンの妄想なのでグレッグはキャラ崩壊しているのである。そのことを強調しておきたい。
 グレッグは珍しく起きてこないジョルジアの代わりに、朝食を作ってあげようと思い立った。昨夜のパスタソースが残っている。これはジョルジアの得意料理でこれがまたシェフも顔負けかという絶品の味なのだった。ジョルジアの兄、つまりグレッグにとっての義兄(というとき彼女と夫婦になれたのだという実感がこみ上げてきてグレッグはまたも頰を緩めた)が時々思い出したようにやってきて、嵐のようにこの料理を平らげていくのだが、幸いにも今日はグレッグ一人だ。グレッグはあの異常なくらいに美しい義兄に大いなる好感を抱いていたが(決して研究費用を用立ててもらっているからとかではない)、ジョルジアの元に突然やってきてパスタを平らげていくのだけはどうにかならんもんかと思っている。
 グレッグは鍋に火をかけパスタを茹でた。パスタが茹で上がる寸前、ジョルジアを起こしに寝室に入る。マイハニー、と呼びかけたくなるのをぐっとこらえて「ジョルジア……ジョルジア……」とそっと声をかける。
 ジョルジアがうっすらと目をあける。
 あああああああ、もうっ、尊い!
 グレッグはキャラ崩壊も崩壊とばかりに萌え! 萌え! と胸中で繰り返したが、これは一介のファンの妄想話だから致し方ないのである。原作が抑えの効いた、非常に上質な文体である分、同人誌の中くらいではお馬鹿なくらいにラブラブな二人の姿を見たいのだった。
 さて差し向かいで朝っぱらからなぜボローニャパスタ? なラブラブ朝ごはんを迎えている二人だったが、幸福感でニヤニヤしているグレッグに向けて突如ジョルジアがいいにくそうに口を開いた。
「ねぇ、グレッグ、ちょっと相談があるんだけれど……」
 君の相談ならなんだってOKさ!
 とマッテオ顔負けの浮いたせりふが浮かんだグレッグだったが、ここはぐっと押さえて真面目な顔で応じる。「なんだろう、君から相談って」
「あのね」
 ジョルジアがフォークを横において向き合った。
「あなたがいつか描いてくれたシマウマの素描があったじゃない」
 ああ、あれか、とグレッグは寝室に飾ってある自身の鉛筆画を思い浮かべた。寝室、という単語にまたも頰が緩みかけたグレッグだったが、決してやましいことを考えてそうなったわけではない。
 断じて。
「あの絵を兄さんがいたく気に入ってね……」
 まさかあの絵を欲しいとでもいいだしたのだろうか?
 あれはジョルジアに捧げた絵なんだぞ!
 というのはもちろん口に出さない。
 グレッグはジョルジアのぐるぐるも顔負けの「ぐるぐる」男性なので、そんなはっきりした意思表示はしないのだ。そのぐるぐるぶりや、作者ご本人が「コミュ障」の代名詞のごとく「わたしはグレッグ並みに人付き合いが苦手で……」と「ネタ」にするほどだった。ちなみにご本人は全然コミュ障などではない。むしろとても気さくで話しやすい、知的な雰囲気を漂わせる女性である。
「あの絵を元に、WWFに商品化を持ちかけたいみたいなの」
「え!」
 グレッグは自分のキャラ設定も忘れて思わず素で頓狂な声を上げた。
「WWFってあのパンダのロゴの……」
「それ以上はコンプライアンスに反するわ、グレッグ。けれどそうなのよ、兄さんがあなたの見事な素描を見て、ぜひこの絵を元にWWFで商品化したい、っていいだして……」
「そ、それでなぜWWFなんだ!」
 恥ずかしさのあまりグレッグは思わず顔をおおった。
 そう、グレッグは極度の恥ずかしがり屋でもあるのだ。
 あまり目立った行動は好きじゃないのである。
「わたしもよくわからないのだけれど、でも、あの兄さんならWWFに『コネ』を持っていてもおかしくない気がしない?」
 ジョルジアの口から「コネ」なんてジャパニーズ単語は聞きたくない気がしたが、ジョルジアももしかするとキャラ崩壊してきているのかもしれない。
 おそるべし、同人女の妄想力。
 と、そのときだった。
「やぁ愛しのティンカーベル。おや、わたしのかわいいかわいい妖精さんのそばにいるのは、ルパンよろしく僕の妹の心をかっさらっていった気弱なフック船長じゃないかい?」
 くらくらするような口説き文句? とともに突如姿を現したのはさもあらん、その渦中の人物だった。
 この人どっから湧いて出た!
 もう完全にわけわかめな世界観である。
 しかし世界観が崩壊してもマッテオの美しさは損なわれることはない。
 その、数多の女性の心を蕩けさせてきた端正な顔に極上の笑みを浮かべると、おもむろに一枚の絵を二人の前に掲げた。
 あっ、その絵は!
 いつ夫婦の寝室に忍び込んだんだこの人はあぁぁぁぁ!
「この絵は素晴らしい。実に精緻にシマウマの柄が再現されている。これを600dpiでフォトショップで取り込んで線画化すれば、グッズ化も目じゃない。ハンカチやスカーフ、はては時々忘れたように宣伝される『今だけ限定! 入会特典ファイル!』な動物柄にも転用できる。そう思わないかね。シンプルにポストカードというのもいいね。よし、そうと決まれば善は急げだ。僕はこれを持ってWWFに乗り込む」
「兄さんっ」
「なっ、なっ」
 僕は恥ずかしさで沸騰寸前だった。
 僕の絵が僕の絵が僕の絵が!
 WWFの商品に……!?
 けれどマッテオに「待った」はなかった。
 外からヘリの音が聞こえてくる。
 マッテオはヘリから降ろされた縄はしごに足をかけると、爽やかな笑顔で手を振り仰いだ。
「アデュー!」
「それフランス語!!」
 あなた一応アメリカ人でしょうがあぁぁぁ……
 というグレッグとジョルジアの同時ツッコミもむなしく、マッテオの姿ははるか上空の空の彼方に吸い込まれたあとだった……。
「ど、どどどどど、どうしよう」
「でも考えようによっては素敵なことじゃない、グレッグ」
 慰めるようにジョルジアがグレッグの肩に手をかけた。
 でもグレッグにはどうしても譲れない想いがあったのだ。
 それは。
「あれは君にだけ捧げた絵なんだ……」
 ジョルジアが感極まったようにグレッグの首に腕をまわした。
「それならこれから何枚だって描いてちょうだい、わたしのために!」
 だってわたしたちは夫婦なのだから。
 そういうジョルジアの声に、グレッグはようやく元気を取り戻した。
 二人は朝食の続きを再開した。
 嵐の後のあわただしさと、それ以上にあるのは二人の間を覆うあたたかな空気だった。

※※※

 私は本を閉じた。
 好き勝書いてるなぁ、という印象である。
 引き続き「後記」に進む。
『何年か前WWFの会員だったんですけどww そのとき定期的に送られて来る会報を見ながらふいに思い立った話でした(笑)シマウマの柄のハンカチとかあるんですよ、だからグレッグのシマウマの素描を活かしたハンカチとかあったら素敵かなーって(笑)ちなみに『今だけ限定! 入会特典ファイル!』に自分もホイホイされた一人ですw ちな、そのとき自分がもらったのはトラ柄のファイルでした(笑)』
 wwとか(笑)をそもそも使いすぎである。しかしそれがこの作者のキャラなのだろう。
 さてこのお世辞にも頭が良さそうとは思えない、けれど愛だけはいっぱしにあるらしい同人作家の「妄想」はどこまで現実になるのだろうか。
 私はにわか興味をおぼえた。
 同人誌の書き手によると、原作者はスイス在住のようだが、この同人誌を見たらどんな顔をするのだろうかと、私はふいに作者の気苦労に思いを馳せ、苦笑した。
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これが『今だけ限定! 入会特典ファイル!』(実物)。
表面にモケット加工が施してありもこもこしていてかわいい。
マッテオお兄様はこれのシマウマバージョンを作ってもらおうと画策している。

WWF=環境保全に取り組む公益財団法人。動物写真で有名な岩合 光昭さんやさかなクンも密かにサポーターだったりする。例のパンダのロゴが有名。
2019-01-08 : 企画参加作品 : コメント : 10 :
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2019

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というわけでお正月は井○屋のパウチゆであずきを使ってぜんざいばかり食べていたcanariaです。
フリーズドライよりは進化したかな?
ってことでこの漫画自体は2015年に描いたものなんですが何が怖いかってぜんざいは進化したのに絵がまったく変わってないってところです。多分canariaさんの周りだけ時空が歪んでるんだと思う。
そんなこんなであけましておめでとうございましたっっ

昨年の八月頃だったでしょうか、ひょんなことから超絶お気に入りの洋服屋さんを見つけてしまいまして、それからというもの二ヶ月に一回はその洋服屋さんに通うようになったというはまりぶりなのですが、その日はたまたまお気に入りの服がなかったのです。でもこのまま帰るのは忍びないしとだぐだしていたとき、
「お客さんて買うときは割と直感でパッと買われるじゃないですか、だから迷われるってことは違うってことなんですよ」
って店員さんが仰ってくれたんです。そのとき知人も横にいたのですが、知人も自分もそう思うって言ってました。
自分では割と自分は理屈屋だと思ってるのですが、知人、第三者が同じことを言うあたり確かにそういう面がなきにしもあらずなんだろうと思います。(まあ店員さんの場合は迷ってるわたしを見兼ねてのこともあったのでしょうがいろんな人間を見ている接客業の方のご意見ということで素直に受け取りたい所存)。それが如実に現れ出ているなぁと思うのが創作スタイルで、前年の目標として毎月掌編を発表するというものがありましたが、あれなんかも最初は良かったのですが後半興味が別のものに移っちゃって大変だったというのがあったので、今年はそういうのはやめにしようと思います。
だから2019年の目標も、あまり期限や範囲を限定するものはやめて都度湧き出たパッションに従って動けるようおおらかに設定することにしました。
こちらです。
じゃじゃんっ!

=2019年の目標=
①「千年相姦」引き続き連載
②「侵蝕恋愛Ⅶ」上梓(「侵蝕恋愛」第一部完結)
③合間でイラストを描く

です。
これならできそうだ。
昨年末、侵蝕恋愛Ⅵモードから抜け出せないと書きましたが、それもそろそろ終わりつつあるので最後の炎を侵蝕恋愛Ⅵイメージイラスト作成に注ぎ込み燃え尽きた後は……、何に興味が移っているか分からないので、都度考えます。(クズすぎィッ!)

隣のブログをのぞいてみると、毎月掌編を発表されていたり毎週漫画を更新されていたり短いスパンでイラストを公表されていたりと皆さん定期的・計画的に発表されている方々ばかりです。そういう方々がわたしは心底羨ましい。
どうかこんなクズ野郎ですが今年も見捨てずお付き合いくださると嬉しいです。
2019年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2019-01-05 : ■ご挨拶/連絡事項/雑感 : コメント : 6 :
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今年もお世話になりました

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去年の個人的漢字は『気』だった。
「気付き」の『気』である。
去年のご挨拶記事を引っ張り出してきてみたのだが、暗い。もの凄く暗い。人間関係で悩んでいた形跡がうかがえる。
今年の個人的漢字はこの去年の『気』から発展して『知』である。「足るを知る」の『知』である。自分の特性に『気』付き足るを『知』り、考えや行動を改めた結果、心がとても楽になった。
そう、一言で言って、今年はとても充実した、いい年だった。

いろんなところでわめき散らしているのでご存知の方もいらっしゃると思うがわたしは元・メンヘラだ。
メンヘラという言葉は実はあまり好きじゃないので敢えて「心が偏っている」と表現するが、わたしがこうした「心が偏っていた」過去があることを簡単に暴露するのは、別に不幸自慢とか構ってちゃんな訳ではなくて(そういう面もなきにしはあらずなのだろうが)、わたしがブログを通して心の病に苦しむ人たちの味方でありたい、という信念を持っているからだ。そのためにはまず自分から心を開く必要があると感じた。だからわたしは、自分に「心が偏っていた」過去があったことを隠さない。

わたしは、すべての人を受け入れ、すべての人に優しく理解を示す、そんな存在でいたかった。
でもわたしは「女神」にはなれなかった。
自分にとっての「優しい」が相手にとっての「うざい」だったり「迷惑」だったりなんなら「傷つく材料」だったりして、どだい、すべての人に等しく「優しさ」を降り注ぐのは無理であることがいい加減分かった。
このことを認めるのは、ブログを通して心の病に苦しむ人たち(に限らず)の味方でありたいという信念を持っていた自分にとって、とても辛いことだった。

自作品「侵蝕恋愛」にセイレンというキャラがいる。彼女(彼)は、神様と人の間に位置する存在で、「相手の心の望むがままに振る舞う」という設定を持つ。「千年相姦」で同じくサフランというキャラがそういった属性を持つが、作品をまたいで互換可能なキャラが登場するあたり、わたしは一種の「メシアコンプレックス」みたいなところがあって、セイレンやサフランに自分の理想を投影しているのかもしれない。

そういったこともあって、今年はこれまでの自分の信念を良くも悪くも「曲げ」、行動や振る舞いを改めた。それが今年の充実に繋がっているのだから皮肉なものである。
だが弱者の味方であり続けたい、という気持ちそれ自体は変わらず強くある。
心というのは一息に強くなれるものでもないので、今はこの状態をキープしつつ、時間をゆっくりかけて、いろんな人を受け入れられるよう、自分自身の心を鍛えていきたい。

さて自分の信念の話はともかく、年始に立てた目標を引っ張りだしてきてみた。

=2018年の目標=
①「千年相姦」引き続き連載
②「侵蝕恋愛Ⅵ」上梓
③「侵蝕恋愛Ⅶ」上梓
④毎月掌編を発表する
⑤構想中の某長編小説執筆
⑥合間でイラストを描く

打ち消し線のところはクリアした案件、自分にしては上々の出来なんじゃないかと思う。特に「侵蝕恋愛Ⅵ」を上梓できたことは大きい。
また、こちらではちらとお知らせさせていただいた程度なのだが、2018年の前半は絵のお仕事もさせていただき、そのこともいい経験になった。

なお、次回「千年相姦」は五日更新予定と言っていましたが、よく考えるとスケジュールがきつきつだし皆さんもゆっくりしたいだろうし、十五日に更新しようと思います。
合間に、年始のご挨拶記事を上げますね。

されど一年、たかが一年で、2018年初頭の暗さとは一転、今年は非常に充実した創作yearだった。
それもこれも、いつもこんな困ったわたしにめげることなくおつきあいくださった皆様のおかげだ。
本当に本当にありがとうございます。

今年もたいへんお世話になりました。
来年もよろしくお願い申し上げます。
皆様、よいお年をお過ごしください。
2018-12-31 : ■ご挨拶/連絡事項/雑感 : コメント : 14 :
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『千年相姦番外編/後編』

皆さんメリークリスマスです。
さて掌編ラストの12月分は三回に分けた『千年相姦番外編』のラストです。
物語のテーマは「なぜにコロンパパはサフランと浮気したのか」ってやつですね。
前回クルルーパパと相対したコロンパパでしたが、クルルーパパのサフランに対するガチキチぶりにコロンパパ、自分はここまでサフランのことを一途に想えるだろうか、って自分の気持ちに疑問を抱いたところで終わりました。
クルルーパパの愛し方とコロンパパの愛し方の違いみたいなのを感じていただけたら幸いです。
そしてコロンパパ、ようやく自分の気持ちに今回ケリをつけます。
掘り下げもされてないし本当に内容すっかすかなんですが、まあ男の人あるあるみたいな感じで、軽ーい感じで受け取っていただけたら幸いでございます。
あ、それから、コロンのパパはコロンのパパという役割に生きているという設定なので前回に引き続き名前は『──』で表記されています。
それでは、年内最後の創作系の記事になります、どうぞ。
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コロンのパパサフランクルルーパパ
(ほぼ思考回路クルルー、でも別人)

「ちょっと待てあんた」
 例の黒髪の雄キトゥンだった。サフランの髪が漆黒に近いとしたら、彼の髪は幾分か灰色がかっている。仔キトゥンの頃は「トラ柄」だったに違いない。
 曇天の空だった。サフランの棲む「森」はいつだって天候が崩れている。
 ……もしかすると〈千年森〉とは、案外こんな場所のことをいうのかもしれない。
「調子に乗るなよ。サフランは俺の雌なんだからな」
「……なんのことを」
「とぼけるな。『太陽のようなキトゥン』って最近はあんたの話ばかりだ」
「……彼女は誰のものでもないだろう」
「そう、誰のものでもないし、誰のものにもなろうしない。だから問題なんだ、あいつの、最近のあんたへ対する態度は」
「……君の気のせいなんじゃないか」
「気のせいなんかじゃない!」
 雄が声を荒らげた。
「気のせいなんかじゃない! 抱いていても俺を見てくれないんだ! 上の空で、俺の身体が好きだって、あんなにいってたくせにっ……!」
「……」
『──』はあぜんとした。
 彼が自分などよりよほどサフランに入れ揚げていることは承知していたが、まさかこれほどまでとは。
 執着を通り越してまるで母にすがる仔キトゥンのようだ。
 雄が『──』の両腕に体重をかける。『──』はたたらを踏む。悄然としてはいるが、その腕をつかむ力は強く、『──』としては気が気でない。
「俺は捨てられてたんだ。生まれてからこのかた、親の愛情はおろか、居場所を感じた試しなんて一度もない。ずっと一匹で生きてきた。そんな俺が初めて得た居場所がサフランだ、理解者がサフランだ。サフランは俺の肉体が好きだといってくれた。快楽だけでもいい、必要とされてるんならそれでよかった。あんたが現れるまでは……」
『──』は息をのんだ。雄の目は血走り狂気とすらいっていい怒りに染め抜かれていたからである。
「あんたには妻とやらがいるんだろう、帰る村だってある。おまけにガキまでこさえてるって話だ、そんな『パパ』がここで何をやってるよ」
「──」
 やはりそうだ。この雄は恐ろしく荒削りに、しかし的確に他者の心の弱いところを突いてくる。おそらく本人は無自覚なのだろう、しかし『──』にとってこの雄の他者を見抜く力は脅威でしかなかった。
「僕だって好きでここにいるんじゃない」
 先ほど「居場所がない」といった雄を前にしては噴飯もののせりふだったに違いない、けれど『──』には止めることができなかった。
「でも、帰りたくない、帰りたくないんだ! 君に分かるか、花のようだった最愛の雌が、豹変するさまを目の当たりにする辛さが! 妊娠してからというもの、妻はまったくの別人になってしまった!」
『──』にとっては、血を吐くような告白だった。だがしかし、決死の『──』の吐露を雄は鼻でせせら笑った。
「はっ……、つまんねー……」
 ギリ、『──』は雄をにらみ付けた。
 生まれたからこの方、こんなにまっすぐ「悪意」を他者にぶつけたのは初めてだった。
「ガキ」
「……なんだって?」
「ガキだ、っていってるの」
 自分だって仔キトゥンみたいな執着をサフランに見せてるくせに、と思ったが、口には出せなかった。怒りに染め抜かれてなお、自分を抑制するくせが抑えがたく染み込んでいる自分を『──』は恨めしく思った。
「そんな理由でこの『森』に迷い込んだんなら、あんたは奥さんとやらが元に戻ったら帰れる、ってわけだな」
「……そう、なるかな。……うん、そうならいいと思う」
「……ったく……」
 雄が長いため息をはいた。存外にやはり「つまらない」といわれているようで『──』としては釈然としない。
「……俺は違う」
 打って変わった口調に顔を上げると、思いもがけず雄が憂慮に沈んだ顔を視線を落としていた。まるでそこにサフランがいるかのように。
「……俺は違うよ。サフランが豹変しようがサフランがどんなに醜くなろうがどんなにサフランが俺のことを嫌おうが……、俺はサフランがサフランである限り、彼女を愛し続ける。サフランの肉体が腐ろうがなんだろうが、ぐじゅぐじゅに溶けた肉体の隙間からブッ込んでやるね」
 最後は、少しだけおどけた口調だった。だが野卑な言葉とは裏腹に、雄の目は思いのほか優しげで、と同時に苦しげだった。
『──』は言葉を失った。
『──』は自分含め、村のどの雄も見せたことのない、雄のサフランへ対する愛情──いや執着か──に絶句していた。
 自分には無理だ。
 自分はそんなになってまでサフランを、妻をも愛し抜く自信はない……。
「あんたはさ、穏やかな日常を繰り返すのが合ってるよ」
『──』の思考を読み取ったかのように雄が言葉を継いだ。
「そういうのが好きなんだろ? 穏やかでなんの変哲もなくって、でも静かな情愛が根底流れてるっていう、そういう静かな日々ってやつが。家族に囲まれた、平凡だけど愛に包まれた家庭ってやつだ」
「……じゃあ君は何が幸せだっていうんだ……」
 存外に自分の「幸福の価値観」をばかにされているようで『──』は気付けば聞き返していた。
「そういうさ、目に見える幸せを追い求められてるうちは、あんたの幸せは安泰だ、ってことだよ」
「──」
『──』にはもはやこの雄のいうことを理解できない。
 だが一つだけ分かったのは、この雄も、サフランも、「日常」というものと相いれない場所にいる、ということだった。
 そうしてその「日常」の中に彼らの幸せはきっとない……。
「……帰るよ」
 突如視界が開けたようだった。
「君と話していて目が覚めた。僕は帰る。妻のいる村に、仔を身ごもって変わってしまった、あの醜悪な妻の側に」
「あんたそれ、ここだけの話にしとけよ」
 どこかほっとしたようにも見える表情で『──』が笑った。
 そうすると案外懐こい印象になる。
 粗暴さと幼さ、そして隠しきれない優雅さとが矛盾なく同居している不可思議な雄だった。雌には不便しないだろうに、ずいぶん彼も罪な雌に惚れたものである。
「でも問題は、この『森』から出られないことだ」
「とーぜん。ここは〈千年森〉」だから」
「……なんだって?」
 いつしかの、サフランとの〈千年森〉をめぐる他愛ない会話を思い出した。
『伝説じゃないわ。〈千年森〉は実在するの』
「あの雌は自覚がないようだけどな、ここは〈千年森〉だよ、間違いなく。……あの雌が結界を作ってる。そしてあんたは、あの雌の波長に同調した。だから招き寄せられた。……あんたが望めば、ここから出られる。出られないってことは、あんたがまだ心のどこかで日常に帰ることを拒絶してるからだ」
 雄は最後にそう結んだ。
「……それ、彼女にいったら喜ぶだろうに」
「あ? ワタクシのいうことをどうして信じてくれないのー、ってか?」
 雄が唇を捻じ曲げた。「冗談。誰があの雌の望む言葉をくれてやるよ。俺以外の雄全員と縁を切ったなら考えてやらないでもないけどね」
 自分だってサフラン以外の雌とのべつまくなし交わっているくせに(彼はそれを幾度となく目撃していた)、とことんひねくれた雄である。
 そしてとことん仔どもっぽい。
 好きな雌ほどいじめたくなるという、ある時期の雄仔キトゥンとまったく変わりない。
「あんたがあいつにとっての『太陽』なら、俺はなんなんだろうな……」
 彼の最後の言葉は霧の中に吸い込まれていった。
『──』にはやらなければいけないことがあったから。

※※※

「まあ、帰るのね」
 予想通り、サフランは引き止めもしなかった。
「奥様によろしくね」
 苦笑気味に『──』はうなずいた。
 サフランのあっけらかんとした反応に、かえって決心がついた。
 彼女は真実誰のものでもないのだ。
「ああ、そうだ」
 最後に、どうしても一つだけ聞いておきたいことがあった。
「僕は君にとって太陽みたいだということだけれど、それってとっても光栄なことなんだけれど、じゃあ、彼はなんなのかな」
「彼?」
 サフランが首を傾げた。彼女にとって「彼」などたくさんいるから検討がつかなかったのだろう。
「ほら、灰色がかった黒髪に、緑の瞳の、きれいだけど少し乱暴者の……」
「──」
 サフランが、彼女にしては奇妙にも思えるほどの間を置いた。
「彼は……」
 サフランが遠い目をする。
 まるでそこにその雄の姿を見るように……。
「あなたが太陽だとしたら、彼は月……」
 サフランが『──』を一心に見上げた。まじろぎもせず。
「あなたはここの森に差し込んだ一筋の金色のまぶしい光だわ。けれど太陽を浴びてばかりだとわたくしは疲れてしまう。……肌に合わないのね、きっと、根本的に。彼は、そんなわたくしの心と同調できる、……唯一の方……」
「……サフラン?」
「いつも殺す、殺す、って、いってるわ。わたくしはあの方の赤ちゃんだって欲しいのに。どうしてかしらね」
「それはきっと……」
 サフランに、というよりは、自らに語りかけるように『──』はいった。
「すべての雄にとっての業だからだよ」
「……業」
「雌にとっては血肉が宿った瞬間からお腹の仔の母親なんだろうだけど、雄にとっては生まれてこないことには実感がないから……」
 ああ、そうか、と『──』は唐突に悟った。
 自分は仔キトゥンだったのだ。
 母親が自分を構ってくれないと駄々をこねる幼い仔キトゥン……。
「僕はもう大人だから。だからもう、帰らなくちゃ」
「うふふ、殿方の話はいつも難しいことばかり」
 サフランはやはり『──』のいわんとすることを理解しなかったものらしい。
 でも彼女はそれでいいのだ。
 だからこそ多くの「成り損ないの大人」を虜にする……。
「さようなら、サフラン」
「さようなら、『──』」
 最後にサフランが呼んでくれた自分の名を噛み締めながら、『──』は妻への想いを馳せた。
 ──待っていて。今、君の元に帰るから。
 そういえばサフランは自分の仔を身ごもったのだろうか、という考えが脳裏をよぎったが、その考えはすぐに消し飛んだ。
 次に目を開いた瞬間、眼前には、見慣れたいつもの村の景色が開かれていたからだった。

※※※

 ミャー、ミャー……。
 赤仔の泣き声が聞こえる。
「元気な女の子ですよ!」
 産婆が赤仔を取り上げてパパの前にかざす。妻は達成感と安堵感とが入り交じった誇らしげな表情で微笑んでいる。
 女の子は、コロン、と名付けられた。
 とてもいい匂いがしたからである。
 それを村の雄キトゥンに話して聞かせると、「親バカ」と一笑に付された。
 パパは時折、あの不可思議な雌を思い出すことがある。
 遠い昔の話のように霞がかっており、おおよそ現実感がないのだが、確かに彼は彼女とひとときを過ごしたことがあるのである。
 懐かしいと思うことはあっても、二度と戻りたいと思うことはなかった。
 ……彼女ととてもよく似た「チコ」と邂逅するまでは。
 けれどそれはまた別の話である。

※※※

「君が僕を大人にしてくれたんだよ」
 コロンを抱き上げながら彼は語りかける。
 あの雄は「大人」になれたのだろうか。
 いや、きっと彼は一生あのままなのだろう。
 そしてパパは、大人になってしまった自分を少し切なく思い、ずっと少年の心のままであろうあの雄を羨ましく思うのだった。
(2018年9月 書き下ろし/了)
2018-12-25 : ■掌編/短編 : コメント : 12 :
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​Thanatos/トップ絵メイキング

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Θάνατος

〈STORY〉

​Thanatos
それは死への本能
貴方を想うこの気持ち

生の瘡蓋の下
独り震えてる貴方を
俺はとうとう見つけた

生の本能を手なずけながら

俺は
死を育んでいく
貴方と

正しき光が貴方を傷つけるというなら
偽りの光となって
俺が
貴方を照らそう

たとえ世界中を敵に回そうとも


タナトス 【Thanatos】
①ギリシャ神話で、「死」を擬人化した神。
②フロイトの用語。攻撃、自己破壊に向かう死の本能をさす。 ↔ エロス

というわけでTop絵の解説です。
これは先日発表した「侵蝕恋愛Ⅵ 前夜祭」のメインビジュアルイメージになります。
右の紅い髪の人をケイ、左の紫の髪(黒髪)の子をセイレンといいます。
よろしくね!

さて解説ですが、〈STORY〉でもありますようにこんなシチュの絵です。
って身も蓋もないので真面目に無理くり解説すると、左の子の花飾り、これには意味があってアンスリウムとひまわり。
ひまわりは、彼女が在籍する孤児院の先生を象徴する花なのですが、それが枯れているということは彼女の中でその孤児院の先生の存在が小さくなっているということ、もしくは右の紅髪のケイという人が彼女を掌握しているという象徴。彼女ってか両性具有者なんですけど。
で、雄しべみたいなのがどーんと出ている花、これはアンスリウムというやつで、観葉植物屋さんとかホームセンターでもたまに見かけますね。正確には肉穂花序(にくすいかじょ)というらしいのですが分かりやすいのでここでは便宜上雄しべとします。
色は悪いけど雄しべはピーンと立ってる。これは、彼女がケイに掌握されてるようでされてないというか、彼女の中にあるいかんともし難い男性性とかどうあっても屈しきれない精神構造みたいなのをイメージしてます。いうて彼女人間じゃないしね。
背景の内臓みたいなのはまさに臓物で内臓も臓物も全部くるくる絡ませて一つになりたいみたいな気持ちの象徴です。
自分が(創作を通して)指向する恋愛というか愛の形はこんなです。
さて以下メイキングです。

20181211_13.jpg
①下描き。下描きはバランスを掌握しやすいように
小さいサイズのキャンバスサイズで描きます。
ケイの表情、本当はこんなだった。
ペン入れするとどうも渋い印象になってしまって。
本来のイメージはもっと涼やかな目元です。





20181211_34.jpg
②ペン入れ。ケイの目の感じがちょっと違うくなったのがお分かりいただけるでしょうか。
なんでかペン入れするとこんななっちゃうんですよね。
下書きのほうがケイのイメージに近いです。





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③レイヤー分け。今回はⅥのイメージに合わせて寒色系です。





20181211_46.jpg
④ザクっと影を付けていきます。
重視するのは細部ではなく全体のバランスなので
最初でこうして大まかな影を置いて仕上がりをイメージします。





20181211_51.jpg
⑤人物の肌を塗り終わりました。
ケイ様の筋肉描写を(当社比で)ちょっぴり頑張りました。
けど、後々内臓で隠れる予定なのでそんなに描き込みません。





20181211_52.jpg
⑥ケイ様の髪の描画に入っていきます。





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⑦ケイ様の髪塗り終わりました。
次、セイレンたんの髪も塗っていきます。髪塗るの苦手です……。





20181211_67.jpg
⑧セイレンたんの髪も塗り終わりました。背景の内臓にざっとハイライト付けていきます。
細部より全体のバランス重視です。





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⑨寒色系だとちょっと陰影が分かり辛いのと気分が出ないので
ここでちょっと色を赤系に変えます。
以下、大したことはないのですが、内臓モチーフということもあって色も変わって
若干グロ要素入ってきますので苦手な方はご注意ください。





20181211_84.jpg
⑩セイレンの花飾り塗っていきます。厚塗り風で。手前にも内臓を追加していきます。





20181211_92.jpg
⑪セイレンの花飾り、主線があるとちょっと気分が出ないような気がしたので
主線を塗り潰していきます。
ゴッホのひまわりをちょっとイメージしました。
ファーン先生(セイレンの孤児院の先生/恋愛関係にあった)は
枯れゆく枯れゆく……というケイ様の怨念を感じます。





20181211_110.jpg
⑫ここで背景を元のイメージの寒色系に戻します。動より静をイメージした愛の絵なので。
静でありつつ激情というか。





20181211_111.jpg
⑬仕上げ。ディフュージョンフィルタをかけて完成です。
ディフュージョンフィルタというのは、空気感を出すための処理みたいなことです。
上の⑫よりなんとなく雰囲気が出たような気がする……かな?






以上です。
約五日程で仕上げました。
実は次の絵も仕上げてあります。
こちらもまたupしますね!
ここまでお付き合いくださりありがとうございました!
2018-12-20 : ■ご挨拶/連絡事項/雑感 : コメント : 8 :
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『千年相姦』八章 七年前 親仔喧嘩の始まり(4/12)

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「いつか、貴女に、お礼をしようと、ずっとずっと思っていたのに……。貴女に届けたいって、命の温もりを、貰った命を、教えてもらった命の繋ぎ方を……、唇から貰った、奪った、あのときの貴女の命の一部を、僕が今度は、貴女に送ってあげようって……」

七年前の十一歳クルルー視点の第4回目です。
巨大樹に持ち上げられ触手プレイに興じるレフィナに手酷い裏切りを感じるクルルー。
クルルーは捨てられていたわけですが、レフィナに拾われてレフィナに授乳されることで一命をとりとめたわけです。だからクルルーなりに、「お礼」をしたいとずっと考えていたのですが、それがレフィナに挿入することで命を放つ、ということだったみたいです(授乳と受精)。
子が母に対する感情としては間違っているのかもしれませんが、こういう場面にさしかかってクルルーは初めて自分のこんな感情に気づいたみたいです。
また、〈千年森〉という、不可思議な存在を目の当たりにしたことでクルルーの精神状態もいつもより深いところに導かれているのかもしれません。
そんなこんなで、今回はクルルーの深層意識的な話になります。
知らないはずの出来事を語っていますが、きっと〈千年森〉の記憶がクルルーに流れ込んできてたのかもしれませんね。
その記憶の中に「クルルーパパ」の記述が少しだけあります。
クルルーは、サフランはともかく生まれる前からクルルーパパの激しい拒絶に合ってましたから、最初から「父的なもの」と相性が超絶悪かったのかもしれませんね。それが転じて〈千年森〉に対する反発心にも繋がってますし、世界から拒絶されている、という深層意識を植え付けられることになったかもしれません。
8章を通しで読んだら多分意図は伝わると思うのですが、これはもうわたしの完全な構成ミスですね、ブログはブログ用に作品を書き下ろさないといかんなぁ、とつくづく反省しています。途切れ途切れでただでさえわかりづらい話が更にわかりづらくなっててすみません。
わからないことがあったらコメントでお気軽にご質問していただければと思います。
それでは、どうぞ。


【今回登場する登場人物】
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クルルー(11歳)レフィナ(年齢不詳)


八章 七年前 親仔喧嘩の始まり(4/12)


 ……どうして僕がこんな想いをずっとずっと、物心ついたころから絶えず胸に秘めながら生き続けていたのか。
 それは僕自身にもわからない。
 けれどその胸に秘めた想いが僕が僕たるゆえんでもあったのだ。そのためには時々過ぎる凶暴な想いも、ぞっとするような黒い欲求も封じ込めることができた。
 その黒い欲求とはこうだ。
 レフィナを、ぐちゃぐちゃに壊してしまいたいような衝動。
 そうした想いが、僕にはあった。
 ふわふわの被毛だった幼なキトゥンのころから。
 ただ、それがどうしてなのかわからなかった。
 僕の身体に織り込まれていたからなのだ、としか説明の仕様がなかった。
 僕には破壊衝動のようなものが生まれた瞬間から備わっていた。
 なぜか最初に覚えた感情は憎しみだった。
 世界が憎いという感情。
 世界は僕を裏切るために存在するのだという、拭いがたい先入観。
 僕は僕という形を象ろうと必死にもがいているのに、その側から固くてごつごつした「モノ」が僕を激しく突いたりかき出そうとしたりして僕を排除しようとするのだ。
 暗い、暗い、光の射さない、部屋というよりもっと下層に位置する、獣部屋で。
 ……獣穴で。
 そこで響く子守唄。
 意味をなさない子守唄。
 子守唄に絡まる、野太い旋律。
 なのに、奇妙に美しく、奇妙に僕を奮い立たせる。
 生きる気力を。
 地の底から沸き起こるような力だ。
 それは負の力。
 生きたいから生きたい、と願う気持ちじゃない。
 いつかこの世界を壊してやりたいから、その日のために絶対に死んでやるもんか、という、そうした種類の力だ。
 けれどその憎しみの刻限はそう長くは続かなかった。
(※以下、クルルーが生まれる前のクルルーパパとサフランのやりとりになります)
『あれ、捨ててきたから』
『やめて! どこに!? わたくしの坊やなのですよ!』
『おまえは俺だけのものだ!』
 仔どもなんかできてしまったら、おまえを独占できない……。
 サフラン。
 遠ざかっていく、その名前。一瞬だけ響いて、後にはふっ、と消えていった、その名前。
 ……毎夜毎夜、癖になる子守唄を奏でていた肉の唇。
 ぐちゅぐちゅ、にゅちゅ、にゅちゅ……、何かとてももの凄い「生」と「生」がそこでは朝も夜も繰り広げられていて、唄を奏でていた。肉の唄を。行き場を失った生と生とが互いを求めて。
 居場所がなかったから。
『おまえだけが俺の居場所だ、サフラン』
「それ」は、硬質なくせに、ひどく優美な指を有していて、一見柔和なふうなのに、豹変する瞬間があった。目が見えないからこそ、いっそうはっきりわかる、それの「命の形」が……。「それ」は、いつも「サフラン」と呼ばれる「命の形」を求めていた。「それ」の形はもはやあまりに歪みすぎていて、形とも呼べぬほどぐちゃぐちゃに変形していた。だからそれは、いつも不安に怯えてもいた。自分の命の形がわからなくて、継ぎはぎだらけのその命の形が、いつ本当に割れてしまうのかと。けれどいつも追い求めてもいた。そんな定かではない命の形にも、収まるべきふさわしい「命の形」をもつ存在がいるのではないかと。
『やっと見つけた。君は僕をどんな形ででも受け入れてくれる』
 サフランは変幻自在の「命の形」をもつ存在だった。だから、本当は、「それ」の命の形に穿たれていたわけじゃないのだ。サフランの命の形は流動的で形がはっきりしていなかった。サフランもまた、不定形の命を抱えもつ流動的な存在だったのだ。
 だがサフランは自我をもたない。
 もたないからこそあらゆる苦しみや不安から解き放たれた存在として「そこ」にあった。「そこ」とは余人には計り知れぬ場所、サフランしか知り得ない境地だ。
 その境地とは、もう一対の〈千年森〉だ。
 幾十、幾百、幾千の欠片を一つの身体に抱えもった、黒い髪をした〈千年森〉の『よりしろ』。交わるべきは、有象無象の雄ども。そこから新しく創造する、またもう一つの欠片を。
 そうして構築されたのがサフランの〈千年森〉。
 そうして一千年の時が流れた。
 幾千個の欠片に、ある日引っ掛かってしまったのが、「それ」だった。
 サフランにとって「それ」は幾千個のうちの一つにしか過ぎなかった。
 けれどたった一度だけ、サフランが「それ」とは別に、「通りすがりの欠片」に自ら興味を抱いた瞬間があった。(※コロンのパパのこと。現在掌編で浮気中のあれですね。ああ、わかりづらい)
「通りすがりの欠片」が、サフランの『お伽噺』を容易に信じたからだ。
 けれど「通りすがりの欠片」は既にほかの存在を愛していた。
 不毛だった。
 けれどサフランには構わなかった。
 サフランには余人の常識や通念は通用しないからだ。
〈千年森〉の主だからだ。
 自我なき〈千年森〉の。
 サフランの〈千年森〉が壊れるとき、それはサフランの自我が目覚めるときだ。
 けれどそのとき、サフランの自我は本当の意味で崩壊するだろう。
 今まで知れず、その身に抱えこんできた、幾十、幾百、幾千もの雄共の欠片をまともな神経をもった者が抱えきれるか。
 抱えきれるものでもない。
 だから「サフラン」なのだ。
 永遠に捕えることのできない不落の女神。
 彼女が一時興味を抱いた存在すら、彼女が本当の意味で求めた存在ではない。それこそ、彼女の欠片の多様性に一石を投じた変化に過ぎなかった。
「それ」(※クルルーパパのこと)はサフランのそうした「本質」に気付いていた。だから、サフランは仔を成したくらいでは自分を見つめてはくれないだろう、ということもわかりすぎるくらいにわかっていた。
 サフランは、雄を「同時」に「本気で」愛することができる存在だった。サフランは「通りすがりの欠片」を愛するのと同時に、「それ」のことも本気で愛していた。
 サフランの愛情には際限がない。そのすべてを彼女は本気で「愛する」。そのすべてを、優劣なく「同時」に愛するのだ。
 今にすべてを注ぎ込み、今を繋ぎ合わせて永遠を形作っていく……。
「それ」はだから、太陽の色をした雄キトゥンの存在など、どうでもよかった。彼のことを「それ」はよく知っていたが、彼には構わなかったのだ。「それ」は、求めるものが永遠に自分が求める形で愛を注がないということを熟知していた。
 そのうえで「それ」は、わずかな可能性に賭けたのだ。
 僕を捨てることによって。
 排除することによって。
 ……サフランが憎しみをぶつけてくれることを願って……。


次の更新は1/5(土)を予定しております。
2018-12-15 : 小説・「千年相姦」 : コメント : 14 :
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「侵蝕恋愛Ⅵ 前夜祭」についての雑感とイラスト集についてのお知らせ

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先日もお知らせさせていただいた通り、「侵蝕恋愛Ⅵ 前夜祭」を執筆した。
前回「侵蝕恋愛Ⅴ 歴史の花冠」から実に一年八ヶ月ぶりの続刊発行である。

最近お知り合いになった方々のために改めて説明させていただくと、「侵蝕恋愛」というのは、以前運営していた別ブログにて、漫画や掌編や一枚絵を使って断片的にアップしていたのが元々の始まりだ。
そうこうしているうちに「侵蝕恋愛」をもっときちんとした形で発表したいと思うようになったわたしはブログを閉鎖、COMITIAという即売会に活動拠点を移すことになるのだが、諸事情によりイベントは一巻だけ頒布してあっさり撤退、再び活動拠点をオンラインに戻して今に至る。
今現在PDFダウンロードというくそ面倒くさい方法で作品を頒布しているのはその頃の名残だ。
不便な方法であることは重々承知で、皆さんにもご迷惑をおかけしていることは分かっているのだが、どうしても「侵蝕恋愛」だけは、PDF(小説形式)でお届けしたくてこの方法を採らせていただいている。完全な自己満足で頒布しているだけなので、適当にスルーしてくださればと思う。
とはいっても、毎回丁寧に読んでくださりあまつさえ感想まで下さる方々には頭が上がらない。
改めて御礼申し上げます。

さてここからが本題なのだが、現在自分の頭は完全に「侵蝕恋愛」モードになっていて、とてもじゃないが「空の終焉」イラスト集作りに戻れる状態じゃない。
これがいつまで続くか分からないが、自分は計画に沿って動くよりも心の声に従いたいと思った。
もしかするとすぐに「侵蝕恋愛」熱は冷めてまた「空の終焉」イラスト集作りに戻りたいと言い出すかもしれない。
この辺は完全に不透明なのだが、当分の間は「侵蝕恋愛Ⅵ」のイメージイラストを描いていたいと思う。今しか浮かばない、描けないイラストというのが絶対的にあって、水物のようなこの衝動を逃したくないのだ。
「侵蝕恋愛」モードが切れたらそのときはそのときでまた都度考えたいと思う。

これは決して「空の終焉」を投げ出しているというわけではないのだ。
ただ、大変申し訳ないのだが、そういう事情もあって来年五月に頒布予定だった「空の終焉」イラスト集はいったん白紙に戻ったと捉えていただければ、と思う。
あまりに長期間「空の終焉」モードが訪れない場合は、来年のどこかでいったんwebで発表することも考えている。
大々的に発表しておいて皆さまには本当に申し訳ないことをしたと思っているが、決してこの作品自体を投げ捨てたというかそういう訳ではないので、そこだけはご安心ください。

他にも募る想いはいっぱいあるのだが、趣旨がずれるので今回はとりあえずお知らせだけにとどめ置いた。
「侵蝕恋愛Ⅵ」に懸けた想いは大きく、また今年中にどこかで記事を設けたい。

末文になりますが、「侵蝕恋愛Ⅵ」発刊に向けてダウンロードやいいね、コメント、またTwitterのほうでもいいね、リツイートなどありがとうございます。特にTwitterのほう、使い慣れていないということもあって反応が遅れがちですみません。大体一週間〜二週間に一度くらいの頻度でのぞいているので、そのときにまとめてフォローさせていただいております。本当にすみません。

最後に、トップのイラストの過程を貼っておきます。
二時間クオリティでひどいのですが、今年中にちゃんとしたのに差し替えます。
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2018-12-11 : ■ご挨拶/連絡事項/雑感 : コメント : 4 :
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「侵蝕恋愛Ⅵ 前夜祭」ダウンロード頒布開始いたしました

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〈STORY〉
『前夜祭』が今宵も始まる。
『聖王祭』前の狂乱の日々が。
ダリアに、ラウルに、そしてセイレンに、
様々な人間関係の軛の中にケイは引きずり込まれていく。
その中で彼が見いだした「究極の答え」とは。


pixivBOOTHにて「侵蝕恋愛Ⅵ 前夜祭」ダウンロード頒布開始いたしました。

今巻の見所はずばり「ケイ」です。
ケイがすごく……ケイしてます。
お読みいただけると意味は分かっていただけるかと存じます。
暇で暇で暇でもひとつ暇でたまらんわーって方、是非どうぞ。

A6文庫版/208p (本作品は小説作品となります)
※なお当作品はPDF作品となりますので、PDF閲覧可能なアプリやソフトを別途ご用意ください。フリーソフトがweb上で無料ダウンロードできるようです。 例:Adobe Acrobat Reader DC等
2018-12-07 : ■ご挨拶/連絡事項/雑感 : コメント : 4 :
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『千年相姦』八章 七年前 親仔喧嘩の始まり(3/12)

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「レフィナだって、相当、えげつないよ……」
七年前の十一歳クルルー視点の第3回目です。
巨大樹に持ち上げられ触手プレイの餌食にあっているレフィナを見てそう判じるクルルー。
なぜならクルルーにとって、レフィナは自分を守ってくれる絶対的寝床の象徴だったからです。
普通、というかだいたいにおいて世間一般の「母親」というものは、子供の前では「女」の部分を隠しているように思うのです。おそらく、普通の家庭で普通に過ごしていたら母親の「女」の部分は一生見ずに済むものなのかもしれませんね。
けれどクルルーはレフィナの「女(雌)」の部分を突きつけられてしまいました。
それも最悪な形で。
幼少時に母親の「女」の部分を見てしまった子供がどんな感じ方をするのか、そこの部分もあわせて見ていただけたら嬉しいです。
また、クルルーの一人称が途中で部分的に「俺」になってるんですが、書いていたらなぜかそこの部分だけ「俺」になってしまったのでそのまま採用してます。何かに取り憑かれたように書いていた記憶があります。
それでは、どうぞ。


【今回登場する登場人物】
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クルルー(11歳)レフィナ(年齢不詳)


八章 七年前 親仔喧嘩の始まり(3/12)


 いつしか僕の両頬には湿った感触が伝っていた。僕はそれに気付いていなかった。圧倒的な「えぐさ」の前に、我を失っていたのか……。
 拘束された箇所を起点に、レフィナの身体のあらゆる部分が反り返る。指先が、腕が、腕の付け根が、首が、足首が、腰が……、反り返って、たわわな肉をまとった臀部がこれみよがしに巨大樹の前に晒される。
 レフィナは被毛もないくせに、「恥ずかしい」がなさすぎるよ……!
 僕はなぜかレフィナのその姿に叱責したい気持ちになっている自分に気付いたのだった。沐浴のとき以外に「裸」になるということ自体が、あり得ないことだというのに思い至ったというのもある。
 被毛をまとっていた過去の僕とは違うんだ。
 だからこそ僕たちは昔は一緒に沐浴していたものだけれど、僕はあまり目が良くなかったし、耳だって立っているか立っていないかっていうくらい「ぺっちゃんこ」だったし、いろいろなことが曖昧で胡乱で……、だからレフィナの「恥ずかしい」なんて見ているようでまったく見ていないようなものだったし。ただ、レフィナの身体の柔らかい質感のことだけは、『感覚』で覚えていたから。
 そんな意識の底に沈んでいたことを唐突に思い出していく。
 こんな場面で!
 こんなときに思い出したくなかった。だって、あの柔らかな肉体が、僕にとってはあったかくて絶対的寝床だった柔らかな肉体が、今、まったく別の目的に使われているんだから!
「グルルルル……」
 低い、自分でもびっくりするような、それは低い、低すぎる唸り声だった。不意に訪れた予期せぬ衝撃に、身体の中に埋め込まれていた栓という栓が抜き放たれたようだった。そこから知れず溜め込んでいた怒りのようなものが、ぷすぷすと放出されているような気さえする。
 様子を見守る、といった当初の目的とはまったく別の意図をもって、僕の身体が動きだす。五感のすべてが、目の前の光景を「焼き付ける」ためだけに研ぎ澄まされていく。
 これを糧にする。
 もう二度とこんな惨めな思いをしないために。
 これを教訓に、僕は……。
 それは意志だったのか。
 僕の雄としての。
 僕は「今」を諦め、「未来」に繋ぐことにしたのだ。
 この憤りを、悔しさを、惨めさを……。
「裏切った、レフィナ……、いつか、必ず……」
 裏切り。
 それは何に対して感じた裏切りだったのか。
「決まっている。その肉体だ。俺を欺いて……、欺くために、森色の襤褸なんかで、ごまかして……、俺を仔ども扱いして……。俺は、それをずっとずっと信じて、十一年間、ずっとそれだけが、あなたのすべての姿だと、信じて疑っていなかったのに」
 こんなにこんなにこんなにこんなに。
 いやらしい肉体を隠しもっていたなんて!
「しかもそれを、僕、じゃなくて……、あんな、あんな得体の知れない化け物に、……捧げて」
 あんな恍惚とした顔で。
 どうして僕に捧げてくれなかったの。
 どうして僕にその姿を見せてくれなかったの。
 どうして僕にその桃色の肉体をくれなかったの。
「どうして僕に、そんなふうに、……脚を開いてくれなかったの」
 涙は、熱い。
 熱いのは、怒りを封じ込めていたからだ。
 怒りが熱いのは、怒りが血潮で構成されているからだ。
 僕は、今、血を流しているんだ。
 僕たちの間に培われてきた、信頼関係を覆す、裏切りの前で……。
 赦さない赦さない赦さない赦さない。
 だって。
 だって。
 僕は。
「いつか、貴女に、お礼をしようと、ずっとずっと思っていたのに……。貴女に届けたいって、命の温もりを、貰った命を、教えてもらった命の繋ぎ方を……、唇から貰った、奪った、あのときの貴女の命の一部を、僕が今度は、貴女に送ってあげようって……」
 放ってあげようって……。


次の更新は12/15(土)を予定しております。

2018-12-01 : 小説・「千年相姦」 : コメント : 10 :
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プロフィール

canaria

Author:canaria

オリジナルの世界観を絵や物語(小説)で表現しております。 千年相姦/ブログにて毎月1日と15日に連載中。 侵蝕恋愛/BOOTHにて随時刊行中。 空の終焉/未発表作品。

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『侵蝕恋愛Ⅰ紅き瞳の双花』
この世に居場所のない二人は、互いに何を求め、何を互いに見いだしたのか。
160704_1.jpg
『侵蝕恋愛Ⅱ蜜月』
ケイは路地裏で出逢った両性具有の少女の「片割れの性」に溺れ込むーー。
『侵蝕恋愛Ⅲ孤児院日誌』
ファーンは明け方の海で亡き母に瓜二つの少女セイレンに出会うーー。
『侵蝕恋愛Ⅳ恋人たちの契約』
一冊の手記がケイを過去へとからめ取るーー。
hyoshi_7.jpg『侵蝕恋愛Ⅴ歴史の花冠』
『太陽の家』でケイが見たものとは。
181107_1.jpg
『侵蝕恋愛Ⅵ前夜祭』
『前夜祭』の狂乱の日々の中でケイが見いだした究極の答えとは。

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