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2019 ホワイトデーイラスト

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2019ホワイトデーイラスト描きました。
前回の猫の日イラストではあざとかわいいを演出していたクルルーですが、今回のクルルーは素でかわいいんです(´∀`)
〜からの↓で。

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クルルーのショタっぷりに内心萌え萌えになったレフィナは、この後〈千年森〉にめちゃくちゃお仕置きされたそうです。
  
2019-03-20 : ■イラスト :
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『千年相姦』八章 七年前 親仔喧嘩の始まり(9/12)

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「……おまえには、チコが」
「だから、違うんだ!」
勢いでチコのことに話が波及してますが、レフィナがしつこくチコのことに言及するのは、それはレフィナがチコに嫉妬してるからですね。
それに対してクルルーも懸命に対応しています。
クルルーはチコのことを本気で愛していましたが、レフィナとの違いは「交配にすんなり及べるか」、この一点に尽きるのだと思います。チコに対して交配できるのは、チコが自分の延長上に存在するモノで、どこか「同士」みたいな感覚があったからなのではないかと。実際この二人は姉弟ですしね。
対してレフィナに対して逡巡してしまうのは、子ども時代に見たあの〈千年森〉との触手プレイの影響ですね。
つまりクルルーは、アダルトチルドレンみたいになっていて、レフィナを「雌」として求めたい現在の自分と、「母」として求める幼い頃の自分との間で分裂してしまっているのだと思います。
つまりこの章が目指すところは、クルルーの中にある「母」と「雌(女)」の統合。
とまあ裏テーマはともかく、「母」と「雌(女)」の間で揺れ動くクルルーの心情にご注目ください。
それでは、どうぞ。


【今回登場する登場人物】
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クルルー(18歳)レフィナ(年齢不詳)


八章 七年前 親仔喧嘩の始まり(9/12)


「チコのことは、たしかに好きだった。愛してもいた。……交配だって、何度も何度も、交わして、……いつしか本当に、彼女自身のことを好きになっていった。それはたしかに本当だ。こういう形の愛もあるんじゃないかって、気付きかけていたから、彼女をたった一匹の『唯一無二』に嵌め込もうと、シロツメクサの指輪を、作ろうとしたこともあった……」
「──なん、だって」
 レフィナの声が尖ったことに僕は気付いていたけれど、あえて僕は押し切るように言葉を続けた。「レフィナがもっていた本の物語だよ。ニンゲンが最愛の女に手渡す愛の証。でもお金がなくって、そのニンゲンはその女が一番好きだった花で指輪を作るんだ」
「……そんな詳らかにいわずとも分かっている。ああ、よく知っている。陳腐な物語だ」
 レフィナの声が苛立たしげに跳ねた。僕はレフィナのその感情の揺れを見逃さない。けれど、見失ってはだめだ。また、喧嘩になってしまう。違う。本当にいいたいことは、そんなことじゃない。
「きっとチコとなら、それなりにうまくやっていけるだろう、ということも分かっていた。僕たちは歪ながらも、時間をかければ愛に似た感情を育んでいくことができるだろうと……」
 レフィナが僕を睨む。
「……何がいいたい」
「……よく聞いて、レフィナ。だけどそれは、あなたがいなかったら、という話だ。僕があなたに出会っていなかったら、きっと僕は迷うことなくチコを選んでいた。チコとの駆け引きに負けた、って、悔しい気持ちにはなってたかもしれないけど」
「迷いがないのなら、今すぐにでも行けばいい。その美しい絶世の美貌をもつ雌のところへ」
 そのいい方に、今にもレフィナが理屈に逃げそうな気配を嗅ぎ取る。話が違う方向に向かいそうになるのを、けれど僕はレフィナの瞳を見つめて慎重に押さえ込む。
「迷いがないから問題だったんだ」
「……またそんな、私を惑わすような屁理屈を……」
「屁理屈。そうだ、屁理屈だ。僕はもう、七年もこの馬鹿みたいな想いに支配されている。心を犯されている。侵犯されている。犯したい、でも、犯したくない、壊してしまえばいい、でも……」
 レフィナの頬に触れる。柔らかな、雌らしい感触の頬だ。
 母らしい、温かな頬だ、……。
「でも、レフィナは僕にとって世界の始まりだった。僕に初めて『生き方』を教えてくれた雌だった。……飢えていた僕に、初めて……、本当の栄養を与えてくれた雌だった、スイッチを……、始まりのための、その、最初の一口を……」
 この、襤褸の下にあったんだ。
 触れようとして、でも、やめた。
 レフィナが怯えたような表情を見せたからだ。
 僕自身が、激しい拒絶意識を拭いがたくもっていたからだ。
 触れたいのに。
「……湿った子守唄に冒されていた僕に……」(※赤ちゃん時代にサフラン宅で聞かされていた、サフランと雄たちとの交配の喘ぎ声とかそういうことです)
 あの日の涙が、今に接続する。
 捨てられ暗闇で怯えていたあの日の涙が。
「……初めて本当の……僕に捧げる唄を、子守唄を唄ってくれた……」
「……憶えても、いなかったくせに」
 恨みがましい口調でいうレフィナを、けれど遮って僕は咆哮した。
「憶えていないなんてどうして思うの! 最初はたしかにそうだった、でも、僕は憶えていたんだ! レフィナは何度も何度も唄ってくれていた。わたしだけを見つめていて、わたしだけを見つめていて、与えるから、庇護するから、って……」
「……独り、よがりな、私の最低な、……自己愛からくる、唄だ。つまらない」
 吐き捨てるようにいうレフィナに僕は鋭く切り返した。
「そんなことない……そんなことない!」
 レフィナの顔を捉える。もう、離さない。
「僕、求められてた! あんなに、あんなにレフィナに切実に! 僕が必要だったの!? ねえ、僕が必要だったの!? ねえ、僕が必要だったんだよね!?」
 レフィナがふいに涙ぐんだ。レフィナの記憶の湖が攪拌されたかのように、次から次にそれは溢れ出てくる。
「そうだ、わたし、おまえが、かわいくて、かわいくて……かわいくて、手放したくなくて、だから、おまえの母親を」
 殺した、とレフィナがうつむいた。涙が黒い土に吸い込まれていった。
「レフィナの顔の疵が、その代償だから、もうそれでいいんだ」
 僕は『鞘』(※サフランの隠喩)の詳細のことは伏せる。彼女のことを、もう違う形で責めたくなかった。彼女は僕と交わったことで充分な罰を受けている。あの交配は、そのためにこそ必要だった。
「僕、それだけ、貴女に激しく求められていたんだね……、うれしいよ、レフィナ。たったそれだけの答えに行き着くのに、どうしてこんな遠回りをしてしまったんだろう……」
「だって、わたし、おまえが、おまえがほかの雌を求めて、出ていったから」
 レフィナの顔は涙でくしゃくしゃだった。
「……だから、いったじゃないか。それはレフィナが、僕の病気(※発情期のこと)を否定したから、……僕を拒絶したからだ……って」
 僕は顔を逸らす。
 そうだ。
 僕の七年前の痛みの中心は、そこにある。


次の更新は4/1(月)を予定しております。
  
2019-03-15 : 小説・「千年相姦」 : コメント : 10 :
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2019 ひなまつりイラスト

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2019ひなまつりイラスト描きました。
これを描いている間、わたしってバカなんじゃないだろうか……とずっと思ってました。
めっちゃ大変だった(笑)
愛の一念、ムダをも超える、です。
こんな生産性のないことをちまちまちまちまちまちま約十日かけてやっていたというね。
記念なので過程も簡単に貼っときます。そこはかとなくムダさを感じ取っていただければ幸いです。

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ついでなのでこんなのも作ってみた。

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こんな雛飾りやだ(笑)
  
2019-03-03 : ■イラスト :
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『千年相姦』八章 七年前 親仔喧嘩の始まり(8/12)

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「裏切り者……」
レフィナに追い出されたのは、その数日後のことだった。

〈千年森〉と交わる養親の姿に、「裏切り」を体現した姿を見てしまったクルルー。
それは、目の前で行われていることを彼が理解するにはあまりに幼すぎたこと、あくまで「(母)親」でしかなかったレフィナの、「雌(女)」の二面性を、最悪の形で突き付けられてしまったが故の不幸でした。
時間軸は現在に戻り、再び大人クルルーとレフィナが対峙します。
前回コメント欄で、
「レフィナはクルルーに見られていることに気づいていたのか?」
ということを皆さん気にかけておられたようでしたが(嬉しい誤算でした)、今回の更新を見る限りレフィナは気づいてなかったみたいですね。
というより、レフィナはそもそも、クルルーが森を出ていったのは純粋に「他の雌」を求めてのことだと誤解していて、〈千年森〉との交接に端を欲していった、ということを未だに理解していないところがあります。
今回はとりあえず、追い詰められたレフィナにご注目ください。
また、ニゲルやサフランのことについても二人が触れていますよ。
これを書いていた当時、降ってくるに任せて書いてその後、ほぼほぼ推敲してないので、会話の流れとかいろいろ荒削りなところがあるかとも思うのですが、あまりディテールにはこだわらず、揺れ動く二人の心情にご注目いただければと思います。
それでは、どうぞ。


【今回登場する登場人物】
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クルルー(18歳)レフィナ(年齢不詳)


八章 七年前 親仔喧嘩の始まり(8/12)


「違う、私は、おまえが、……別の雌たちを、求めているものと、思って」
 レフィナが後ずさる。
「裏切り者……」
 僕はプリムラ湖の対岸に後退しようとするレフィナを執拗に追い詰める。「裏切り者……」
「ちがっ……」
「何が違うの、あんただって俺を裏切り者呼ばわりしただろう、チコとのことで」
「だって、意味が違う。チコはキトゥンだ、雌だ、〈千年森〉は……」「同じことだ」
 レフィナを岸までとうとう追い詰める。その真後ろには大木があった。そこからまた森が広がっている。
「あんなにだらしなくぶっとい〈千年森〉を咥え込みやがって」
 森色の襤褸をまとったその塊を、僕は大木に押し付ける。
「……は、あのときも、こうやって追い詰めたなぁ……、ニゲルを」
「……やめ、やめて、クルルー」
「あ? レフィー、何いきなり雌の顔になっての。……誘ってんの?」レフィナの首筋に舌を這わせる。「あっ、ん」
「感じているの? こんな状況で? ……あんたやっぱ雌だな。……淫乱」
「……ニゲルは、ニゲルはどこにいった」「殺した」
「……」
 レフィナが大木を背にずり落ちていく。どこかで感じていた嫌な予感の行く末に、ようやく自身の足で辿り着いたかのようだった。
 僕はレフィナの肩に自分の足をそっと乗せる。
「こことは立地条件が異なったが……、チコの家の楢の木の後ろは、ちょうど崖が切り立っていてね」
 外れに棲まわされていたんだよ、あの雌、といって、僕はレフィナの肩に乗せた足に体重をかけていく。
「痛っ……」
「痛いようにやってるんだもん」
 レフィナが眉を寄せ、瞼をきつく閉じる。
「ちょうどこうやって……あいつも追い詰めていった。まさか、楢の木ごと落ちていくなんて」
「……落ちて……? それは、不慮の事故だ、おまえは殺してなど」「そうだね、レフィナと一緒だ、殺すつもりはなかった。けど結果的に殺してしまった」
 僕はレフィナの言葉を遮っていった。
「歴史は繰り返す、って、レフィナはいっていたよね」
 数日前にレフィナが呟いていた言葉をレフィナ自身に投げかける。それをいった本人に。理解が及ばないと思っていたからこそ、その言葉をいい放ちもしたのだろう。けれど分かっていたのだ、僕には。
「レフィナもちょうどこうやって、追い詰められてた。あの『ナイフ』に」(※五章で、サフランが赤ちゃんクルルーを奪い返すためにレフィナに振るったナイフのこと)
 レフィナが刮目した。
 そのナイフは、今ごろ生まれたばかりのプリムラ湖の真下でその記憶ごと封じ込められているのだ。
 代わりに僕が引き継いだから。
「そうしてあなたは僕を庇うため咄嗟に僕を抱きしめ……、『ナイフ』は無防備になったあなたの下から襲いかかってきた。そうしてあなたは頬を傷つけられ、流れ出る血によって視界を塞がれた。けれどなおも襲い来るその『ナイフ』を追い払おうとし……、気がついたら、『ナイフ』だけがそこに残って、『鞘』、……『雌キトゥン』の姿は消えていた。目の前には切り立った崖だ。僕のときと同じく」
「……あ……」
「よく、そんなことできるよね……」
 レフィナの肩を、踏み潰す。
「……っ」
「……って、いうと思った……?」
 僕は森色の襤褸と同じ目線にしゃがみこみ、その上半身に抱きついた。今まで僕が踏み潰していたその肩にそっと触れて。
 僕の心は振り子のように不安定だった。瞬時に目の前のレフィナに憐憫を覚えて僕の心は再び仔キトゥンに戻る。
 もうずっとずっと、その振り子の間で苦しんでる。
「痛かったね、ごめんね……。レフィナは、僕を守ってくれたんだよね……」
 豹変したかのような僕に、けれどレフィナは寛容だった。違う、レフィナもよみがえってきた自らの過去と対峙すべく、必死だったのかもしれない。
「違うっ、もっとやりようはあったはずだったっ、そもそも私があの雌を謀りさえしなければ」
「違う、僕は明確な殺意をもってニゲルを殺したんだ」
「ち、違う、それはっ」
「いいよ、レフィー。たとえあのときのことがなかったにしても、僕はあいつをいつか違う形で殺していたと思う。たった一匹の雌に、なんの迷いもなく『唯一無二』を捧げていたあいつが、憎くて憎くて堪らなかったから」
「……おまえには、チコが」
「だから、違うんだ!」
 レフィナの肩を揺さぶる。きっと今の僕は、仔キトゥンの顔をしていたに違いない。
 裏切られた、いや違う、レフィナは元々からああだった、違う、レフィナは温かい、僕にとっての命の始まりの象徴だった、いや……、反転しては揺らぎ反転しては違う答えを導いていく反転の応報に、僕の頭はぐちゃぐちゃだった。


次の更新は3/15(金)を予定しております。
  
2019-03-01 : 小説・「千年相姦」 : コメント : 16 :
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スノードーム

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イラスト/「いらすとや」

昨年まで毎月発表していた掌編ですが、今年は不定期で更新していくことになりそうです。
さて今回発表する掌編は、「マツコの知らない世界」を見ていて唐突に思いついたお話です。
海外在住の方のためにご説明させていただきますと、「マツコの知らない世界」は、毎週マニア(主に素人さん)が登場して、マツコさんがそのカオスすぎる世界観にツッコむ……、という趣旨のバラエティー番組です。
わたしがネタにしたのは、「スノードームマニア」の回で、このお話もスノードームがモチーフになっています。
それから、わたし、本っっ当……に現代物が苦手みたいで、このお話もなんていうかこう……、すごく不自然というか……無駄に掘り下げ過ぎというか……、もっと削れた気もします。アドバイスございましたら添削希望です(真面目に)。
なお、作中のフランス事情で結構ひどいこと書いてますが、これは、十数年前にわたしが実際にフランスに行った際に、ガイドさんに伝え聞いたことを参考にしています。
しかしながら十数年前の事情ということで、現在は異なる可能性大なので、現在のフランス事情をご存知の方いらっしゃいましたら、フランスの名誉のためにも、コメント欄にてご教授くださると嬉しいですv
それでは、どうぞ。



 スノードームといえば日本では土産物の定番品だが、元はといえば1889年のパリ万博にてエッフェル塔を模したスノードームが出典されたのが始まりとされる。
 世界最高峰といわれるスノードームはペルツィ社のもので、二分間かけてドーム内をふんわり舞う雪の様子は、他の会社の追随を許さない。通常は精製水とグリセリンを混ぜた液体で容器を満たすところを、ペルツィ製のスノードームはアルプスの雪解け水を使う。ペルツィ社のスノードームは不純物が少なく、抜群の透明度を誇る。
 だがその技術は門外不出で、そのこともペルツィ社の格を上げるのに一役買っている。
 と述べると、いかにも雪兎がスノードームマニアであるかのように思われそうだが、それは違う。
 元恋人の香代との思い出の品であるスノードームのことを、手持ちぶたさに五年間かけて調べているうちに、詳しくなってしまったという、ただそれだけのことなのだ。
 そう、雪兎は、五年前に別れた香代との思い出に固執している。
 香代とは大学二年の春、フットサル同好会で出会った。香代は、フットサル部のマネージャーをしていたのだ。男所帯の中でもさりとて気負うことなく、はつらつと振る舞う香代のことを、雪兎はすぐに好きになった。香代はフットサル部の高嶺の花だったが、なぜか香代は雪兎のことを気に入った。寡黙な雪兎と天真爛漫な香代は元々引き合うものがあったのかもしれない、二人は程なくしてつきあうようになった。
 二人が交際をスタートさせたその次の年の二月に、二人は大学の長期休みを利用してフランスへ旅行することとなった。雪兎としては国内のほうが何かと都合がよかったのだが、香代が頑として譲らなかったのだ。ブランドもののバッグが欲しい、というのがその理由だった。当然、当初の予定より出費はかさんだが、ツアー旅行だったこと、シーズンオフだったことも重なって、ヨーロッパ旅行としては比較的安価で飛び立つことができた。
 なぜ二月がシーズンオフなのか、その理由を雪兎はフランスに降り立ってすぐ理解することとなる。
 寒い。
 とにかく寒い。
 緯度が異なるからなのか、日本とはまた質の違う、底冷えのするような寒さである。おまけに底冷えする原因の一つでもある、街中に敷き詰められた石畳は、鳩のふんやら吐き捨てられたガムやらで埋め尽くされており、お世辞にもきれいとは言い難かった。フランスといえば絢爛豪華な芸術の国というイメージが強かっただけに、その落差は少なからず雪兎を落胆させた。
 また、何かと店員が横柄なのも雪兎を辟易させた。最近はそうでもないが日本はいまだ「お客様は神様」精神なところがある。そうした文化に慣れきっていた雪兎としては、フランス人店員の態度は不可解なものでしかなかったのである。
 だがツアーコンダクターの女性によると、フランス人にとって客は神様どころか「売ってやってる」相手でしかないのだそうで、むしろ日本のほうが特殊なのだと逆に諭される始末だった。そのツアーコンダクターの女性と香代は馬が合うらしく、何かと一緒になっては雪兎をからかいたがった。
 このように前途多難かと思われたフランス旅行だったが、ツアー内容に含まれていたモン・サン・ミッシェル行きが、雪兎のフランスに対する悪印象を一変させることになる。モン・サン・ミッシェルといえば、いわずとしれたフランスが誇る世界遺産である。小島に浮かぶ修道院の神秘的な姿が、広く認知されている。
 まるで映画『ハリーポッター』に出てくるような世界観だった。
 中庭をぐるりと囲う柱廊に荘厳な礼拝堂、テラスから望む干潟の光景……。
 映画やゲームの中でしか見たことのない光景の連続に、一瞬現実感覚を失いそうになる。けれど香代の小さな手の温もりが、これが夢でないことを教えてくれる。
 名物だというオムレツをツアーメンバーのみんなと囲いながら食べたときは、皆一様に顔を見合わせながらコメントを差し控えたものだった。一言でいうとまずかったのである。名物にうまいものなしとはよく言ったものである。
 腹も満たし後は修道院を後にするだけ、というときだった、香代が待ち構えていたように手ぐすね引いて言った。
「お土産買っていこう」
 さすが、ブランド物のバッグが欲しいという理由だけでフランス行きを決行するだけある、雪兎は買い物好きの香代に付き従って、参道沿いの土産物屋を物色した。
「あ、スノードーム」
 そのとき、香代が軒先に並んでいるスノードームに目を止めた。
 スノードームなんて時代遅れの土産物品という認識しかなかった雪兎としては、なぜ香代がスノードームなぞに興味を引かれたのかわからなかった。
 だがそういうと、香代がまくしたてるように反論してみせた。
 香代によると今スノードームが静かな人気を博しつつあるらしく、それは有名服飾ブランドも、こぞってスノードームをノベルティとして提供するほどだということだった。
 いかにも香代らしい言い分だと思ったが、なるほど、そう言われてみれば、雪の舞うさまがインスタ映えしそうな、現代的なアイテムに見えてこなくもない。
 モン・サン・ミッシェルを模したミニチュアが、中央にちょこんと配置されている。ご丁寧なことに、そのスノードームには、観光客らしき男女のフィギュアまで配置されていた。土産物にしては凝った作りに雪兎が半ば関心しながら見入っていると、香代が、
「このミニチュアの男女、わたしたちみたいだね」
と言って笑った。
 そう言われると悪い気はしなかった。気付けば雪兎はそのスノードームをレジ台の上にのせていた。
 フランスに降り立った当初の不満はすっかりかき消えていた。
「彼氏さんの不満は解消したみたいですね」
 店を出ると、例のツアーコンダクターの女性とばったり出くわした。
「ええ、おかげさまで」
 上機嫌の香代がスノードームが入った袋を示しながら言った。ツアーコンダクターの女性がからかいを含んだ目線を雪兎に投げ掛けたが、照れくささも手伝って雪兎は視線をそらした。ツアーコンダクターの女性はそんな雪兎の内心など知らぬ存ぜぬとばかりに、空を仰ぎながらなんでもないように続けた。
「いつもはだいたい曇り空なんですけど、今日は天候に恵まれているから干潟もよく見えましたでしょう? わたしもこの仕事をして長いですが、こんな日はそうそうないんですよ」
 お客さんたち、運がいいですよ。
 それは、二人の明るい未来を予見させる祝福の言葉のようにも聞こえた。
 だが、運はそこで尽きた。
 帰国の間際に香代が立ち寄ったブランドものの路面店で、二人は大喧嘩をしてしまったのである。
 香代が、どうしてバッグを買ってくれないのかと、突如雪兎に詰め寄ったのである。
 雪兎にしてみれば青天の霹靂だった。
 バッグが欲しいとフランス行きを打診したまではわかる、だが、そのバッグの費用まで雪兎が用立てるというのはいかがなものなのか。
 いや、百歩譲って雪兎が金を用立てるにしても、せいぜい三万とか五万とか、つまりバイト代でまかなえる程度の金額だったなら、まあ、雪兎も早めの誕生日プレゼントだとでもいって、財布を開く気になれたかもしれない。
 だがそのバッグは二十数万円もする代物で、それを臆面もなく雪兎に「買って」と言ってのける香代の神経に雪兎は腹を立てたのだった。
 雪兎が不満をあらわにすると、香代は、「ふん、もういい」といってそれきり口を閉ざしてしまった。雪兎にしても自分の主張が正しいという思いがあったから、歩み寄りは不可能に近かった。
 喧嘩は帰国後も続き、そのうち就職活動やらなんやらでお互いそれどころではなくなった。気付けば二人は修復する機会を逸したまま大学卒業を迎え、あとは言わずもがな、空中分解してしまった。
 金の切れ目が縁の切れ目というが、まさにそれを地で行ってしまったのである。
 現在の雪兎は後悔の毎日だ。
 雪兎はもはや因習と化してしまった、就寝前のスノードーム鑑賞をしながら、鬱々と考える。
 今ならわかる、香代はあのとき、旅行中の高揚感も相まって、単に雪兎に甘えてみたくなっただけなのだ。何も本気で金を無心していたわけではないはず、ああ、口先だけでもいい、あのとき、僕が買ってあげるよ、と言ってあげればよかった。
 ああ、あの日に戻りたい。
 五年前のあの日に……。

***

 五年前の夢を見ていた。
 なぜこれが夢だとわかるかというと、スノードームを鑑賞しながら眠りにつくと、決まってこの場面と遭遇するからだった。
 雪兎は例によって香代とモン・サン・ミッシェルを散策していた。
 香代が雪兎の手を取りながら、ほら、この柱見て、『ハリーポッター』みたいだね、と言う。ああ、そうか、『ハリーポッター』のような世界観だと言ったのは香代のほうだったか、などと夢を見ている現実の自分は思う。
 その夢は通常、例の微妙な味のオムレツを食べるところで終わりを迎えるのだったが、どうしたことかその日の夢には続きがあった。
「お土産買っていこう」
 香代が雪兎の手を引きながら参道を下っていく。
 現実と同じように、香代が店先のスノードームに目を付ける。
「この男女のフィギュア、わたしたちみたいだね」
 いやに明瞭な口調で香代がいう。本当だね、と雪兎が軽く相づちを打つと、香代がもう一度、
「この男女のフィギュア、わたしたちみたいだね」
と繰り返す。
 あれ、香代ってこんな女だったけか、と思いながらも、なんとなくその様子が鬼気迫って見えたので、雪兎としても今度は慎重に応じる。
「うん、僕たちみたいだね」
 香代がにやり、と笑った。
 スノードームを満たす粒子は、先ほどから延々ドーム内を舞い続けている。
 ペルツィ社のスノードームじゃあるまいし、こんな安価なスノードームがこれだけの時間舞い続けるのも珍しい。
 どころか、粒子の流れは弱まるどころか勢いを増していくばかりである。
 あまりに豪勢に舞うのでなんだか視界まで悪くなったみたいだ。
 雪兎ははたと違和感を覚えて、辺りを見渡してみた。
 周囲は猛吹雪になっていた。
 お客さん、運がいいですよ。
 あの日、ツアーコンダクターの女性は言っていなかったか。
 今日は天候に恵まれているから干潟もよく見えましたでしょう?
と。
 それがどうだ。
 天候に恵まれるどころか、吹雪は猛威を振るいながら、雪兎の耳や口の中にまで入り込んでくる始末だ。
 何かがおかしい、と思うのだが、何がおかしいのか吹雪の勢いに圧されている雪兎には、考えを巡らせることができない。
 この男女のフィギュア、わたしたちみたいだね、と香代が執拗に繰り返す。
 雪兎はそうだね、と息も切れ切れに答えながら、なんとかかかんとか薄目を開けて、状況を確認しようとする。
 そこで雪兎は信じられないものを見た。
 眼前に広がっていたのは、フランスの空でも遠くを臨む干潟でもない、普段自分が寝起きしている、都内の狭いワンルームの光景だったのだ。
 寒色系の遮光カーテンにサークル形のラグ、小さな机、極めつけは、ベッドサイドが定位置となっているスノードームだった。
 そのスノードームに、雪兎はたった一つの変異を認めた。
 モン・サン・ミッシェルのミニチュアにへばり付くように設置されていた男女のフィギュアが、ものの見事に消えていたのである。
 ああ。
 雪兎は唐突に悟った。
 雪兎は閉じこめられてしまったのだ。
 スノードームの中に。
 五年前で時を止めてしまった、このスノードームの思い出の中に……。
 まるで水槽をのぞき込んでいるように、見慣れたワンルームの光景がやたら歪んで映って見えたのは、雪兎がスノードームの中の住人になってしまったからなのだった。
 本来なら慌てふためくべきなのかもしれない、しかし雪兎は、薄暗い愉悦を覚えていた。
 どうぜ現実に戻ったって、香代以上に好きになれる女性に巡り会えるわけでもない。それよりはこうやって、香代とずっとずっと、スノードームの中のモン・サン・ミッシェルをさまよっているほうがいい……。
 中庭をぐるりと囲う柱廊に荘厳な礼拝堂、テラスから望む干潟の光景……、微妙な味のオムレツに、帰りがけの土産物屋で手にするスノードーム。
「この男女のフィギュア、わたしたちみたいだね」
 うん、そうだね。
 僕たちみたいだね。
 そうして二人は半永久的にスノードームのミニチュアとなって、愛をささやき続ける。
 雪兎はがらんどうの笑顔でワンルームの光景を臨む。
 雪兎が毎夜、ワンルームの部屋からスノードームをのぞき込んでいたように。
(2019年2月 書き下ろし)

  
2019-02-25 : ■掌編/短編 : コメント : 8 :
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2019 猫の日イラスト

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今日はあざとかわいいクルルーのイラストのご紹介です。
2月22日は
にゃんにゃんにゃん!
で猫の日。
すっかり定着した猫の日ですが、猫の日といえばこのキャラ!
ということで「千年相姦」よりクルルーです。
猫カフェの店員という設定です。

個人的に、「侵蝕恋愛」のケイは間違ってもこんなあざといことはできないけど、クルルーはむしろ自ら進んでこんなことをやっちゃえるイメージがあります。
ちなみに、クルルーが持ってるカップはレフィナがモチーフで、よく見たらオッドアイ+持ち手が尻尾だったりします。
ハート型にコーヒーがこぼれてますけど、クルルーさん、ちゃんと仕事しましょう(笑)

いつかアニメイトカフェ×「千年相姦」とか叶ったらいいなぁ(=^0^=)
ではでは、ここまでお付き合いくださいましてありがとうございましたー!!

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ちなみにこちらは背景なしver。

  
2019-02-22 : ■イラスト :
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2019 バレンタインイラスト

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皆さまこの間はバレンタインイラストに、たくさんのかわいい! のお言葉ありがとうございました。+゚。*(*´∀`*)*。゚+
重複になるのでコメント欄は閉じさせていただいておりますが、軽ーい感じでさらーっと読み流していただけると嬉しいです。

今回の絵は
ピンク! ピンク! ピンク!
って感じですが、それもそのはず、この絵は「ルビーチョコレート」をモチーフに描いたからです。
「ルビーチョコレート」というのは、ホワイトチョコ以来約80年ぶりの新作になるという、ピンク色をしたチョコのことなのだそうですが、イチゴチョコなのでも着色料を使っているのでもなく、素でピンク色なんですって。
「ルビーカカオ」という、一般的なカカオとは異なるカカオ由来の天然色なんだそうですよ。
めっちゃ可愛くないですか!?
わたしは残念ながらまだ「ルビーチョコレート」を食していないのですが、見つけ次第食べてみたいです(* ´ ▽ ` *)

そんなこんなでこの絵の解説ですが、そうなんです、ちびキャラといえど妄想をぶち混むのがcanaria流なのです。
この二人は「侵蝕恋愛」という、pixivBoothで不定期刊行中のお話のキャラで、左がセイレン、右がファーンといいます。
右のファーンは孤児院の先生という設定で、セイレンはその生徒ですね。
一見すごくかわいい絵に見えるのですが、内情は結構危なくて、ちびキャラだけどセイレンは10歳、ファーンは28歳という設定で描いているので、幼女がくれたチョコに照れているという大人の構図になります(笑)
というか本編はもろ危なかったりして、こんなの同人誌だから表現できることだぜ……って内容になってます。
そんな二人の危ない関係が気になる方はこちらをクリック! →「侵蝕恋愛Ⅲ 孤児院日誌」

あ、二人が座っているのが、「ルビーカカオ」です。
実際はもっと赤茶っぽいのですが、ここではどピンクにしてみました。
いうてピンクな絵だしね(意味深)

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これは、背景なしverですね。
背景はpixivのフリー素材をお借りさせていただきました。ありがとうございます!
ではでは、ここまでお読みくださいましてありがとうございました〜!
  
2019-02-20 : ■イラスト :
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『千年相姦』八章 七年前 親仔喧嘩の始まり(7/12)

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※今回の更新は成人向け表現が含まれるため18歳以下の方の閲覧はお控えください。念のため。

さて七年前の十一歳クルルー視点の第7回目です。
状況としては、引き続き〈千年森〉と触手プレイに興じる養親の姿をクルルーが見ている、というもので、今回でプレイ自体はラストです。
さて、さんざ樹上であんなことやこんなことをしていた〈千年森〉×レフィナでしたが、〈千年森〉には一つだけ弱点があったのです!
そうです、〈千年森〉は口がないのでレフィナの胸を「吸う」ことができないのです!!
以下今回の話をざっくりまとめると以下の通りです。

〈千年森〉「くそー、わい、レフィナたんの乳房吸うことができひんねん、あそこで覗いとるガキは出来とったみたいやが……、せや! 上のお口がだめなら下のお口でいったろ! これならあのガキは真似できひんやろ、ほ〜れ、これがわいの実力や〜!」

神様とは思えないエセ猛虎弁&クズっぷりですね!
ではでは、作戦変更した〈千年森〉の「本気」をどうぞお見納めください。
子どもクルルーがトラウマの果てに行き着いた境地とは。
それから、ものっそい今さらなのですが、登場人物紹介ページ作りました。▶︎登場人物紹介
迷ったときはそちらをご参照ください。
それでは、どうぞ。


【今回登場する登場人物】
160524_3.jpg170828_1.jpg
クルルー(11歳)レフィナ(年齢不詳)


八章 七年前 親仔喧嘩の始まり(7/12)


 ざわざわ……。
〈千年森〉が、身震いするように急に触手をうごめかしだした。ひゅっ、と風を切る音が聞こえた。目的を急遽見定め直したかのような機敏な動きだった。
 それはレフィナの下半身を集中的に攻めだした。
 それは何往復も動いた。
 ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ。
「あんっあんっあんっあんっあんっああんっ」
 レフィナの悲鳴が断続的に漏れる。ぬかるんだ泥に何度も手を差し込んでるみたいだ。
 ぴちゃっ、ぴちゃっ、ぴちゃっ、びちゃっ。
 軽やかに沼の表面で跳ねたかと思うと、次の瞬間には沼の底で蠕動するような鈍い音に切り替わる。
 ずぶっ、ぐちゃっ、ぶちゅっ、ぶちゅっ……。
 そのたびに、レフィナの艶めいた悲鳴が呼応するように競演する。
「ひぁっ、あっ、ああんっ、ふぁっ、あっ、ひぁっ……」
 耳を塞ぎたいような、塞ぎたくないような、ううん、塞ぎたくなんかない、目だって閉じたくない。
 見届けていたい。
 レフィナのその姿を。
 裏切りを体現したその姿を。
 その裏切りで構成されたいやらしくってたくさん凹凸のある身体を。
 垂れ下がった果実みたく揺れる双つの肉を、そこから生えるピン、と尖った桃色の蕾を、そこからなおもしとどに流れる生々しい肉の果汁を。
 何を成せばいいのか分からずとも分かっていた。
 僕は〈千年森〉の律動に併せて自らも腰を動かす。
 僕の世界の中で、僕はレフィナの身体に向かって腰を振っていた。
 レフィナの臀部に打ち付けて。
「はぁっ、はぁっ、うっ、くっ、あっ……、レフィー、レフィー、レフィーっ……!」
 呻き声のような、自分でも聞いたこともないような低い声。
 これこそが生きている悦びなのだと確信に至るようなたしかな愉悦。
 愉しい。
 悦び。
 舌、舐めずり。
「たまん、なっ……」
〈千年森〉の触手が膨張し、硬度をさらに増していく。もはや悲鳴ともいえない、空を引き裂くかのようなレフィナの歓喜の歌声。
 子守唄の歌い方を忘れた肉の唇が、仔を忘れ仔を捨てさり仔を振り落としたその肉の口腔で、裏切りの快楽を貪欲にむさぼっている。
 胃袋の裏には、もう一つの胃袋があったんだ……。
 隣接した、どちらも命を繋ぐ、その袋。
 下の口。
 そうか、僕、ここから送り込んであげれば、いいんだね……。
「ああああああああんっ、いやっ、だめっ、だめっ、もうっ……!」
 レフィナの肉の唇がぎゅ、と閉じて、その奥に広がる生命の袋に〈千年森〉の咆哮を流し込まれる。
 森全体が、ざわ、と震えた気がした。
 分かるよ、だって、僕だって……。
「あ……ん、〈千年森〉、今夜は、激しかった、どう、して……」
 巨大樹がその身を地中に埋めていく。
 存在をまったくうかがわせぬほど、それはぴたっと完璧に地中に沈んでいった。
 取り残されたレフィナが投げ出された平地の上で、乳房をなおもまさぐっている。その先端を、執拗に指先で弄くり回している。
 物足りなさげに。
「……」
 僕は身を翻した。
 平原で身体をついたレフィナの、その蕾のような先端が頭から離れなかった。
 夜明けが、近づいてきていた。
 けれどまだまだ、朝は遠い。
 戻った棲処は、しん……、と冷えていた。
 僕は掛布の下で、ずっと反芻していた。
 いやらしい雌の身体、その中心にあった濡れた肉の唇、レフィナの嬌声、胃袋の裏に隠されていたもう一つの胃袋の存在と、その秘密の胃袋へ通じる柔らかな回廊。
「裏切り者……」
 さまざまな感情が去来し、僕はいつしか裏切り者、裏切り者、……と繰り返すことで、それらを意識の底に沈めていった。
 レフィナに追い出されたのは、その数日後のことだった。


次の更新は3/1(金)を予定しております。

  
2019-02-15 : 小説・「千年相姦」 : コメント : 14 :
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2019 節分イラスト

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遅ればせながら2019節分イラストを描いたので倉庫として貼っておきます。実はこれ以外にもいろいろ描きためたイラストが控えており発表する機会をうかがっているのですが、都度貼られても皆さんお忙しいでしょうし、この絵も見ていただけるだけで嬉しいのでコメント欄閉じてます(^○^)
節分といえば、恵方巻きの大量廃棄が問題になってますね。
コンビニバイト時代、廃棄を目の当たりにしていた身としましては、こうやって問題視できるようになったこと自体いい風潮だと思ってます。
今年の恵方は「東北東」だったらしいのですが皆さん恵方巻きは召し上がりましたか?
わたしはイラスト描くのに夢中になってしまって豆も恵方巻きも買い逃してしまいました。しかも三日過ぎてから仕上がったし。
そんなこんなで「侵蝕恋愛」からケイとセイレンたんです。
ケイが志茂田景樹みたいになっちゃいました。志茂田景樹、今頃何してるんでしょうね(笑)
以下、いつものごとく作業過程です。
よろしければどうぞ〜。
190208_1.png
①素体を描きつつ
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②描き起こして
190208_3.png 
③線画
190208_4.png
④パーツ分け
190208_5.png
⑤完成。これは、背景なしバージョンですね

190208_7.png
⑥色違いもあったり。
キャラの髪の色は、本来はこちらが公式(当社比)で、
途中までこの案で進めていたのですが、
なんとなく変えたくなって上のような仕上がりになりました

  
2019-02-10 : ■イラスト :
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二人の花嫁-Thanatos-/Top絵解説

20181223_57.jpg昔、松浦亜弥の歌でありました。
セクシーーなのキュートなのどっちが好きなの……と。
これ以上書くとJ○S○A○がうるさいのでここまでにしときますが(まじでうるさいらしい)、今回のTOP絵も「侵蝕恋愛Ⅵ」のイメージイラストになります。先月のTOP絵の連作にあたりまして、先月のErosバージョンに引き続きThanatosバージョンの花嫁になります。
Thanatos(タナトス)というのはこれまたフロイト先生発案の精神分析学用語でErosと対を為す概念なんですが、まあざっくりいうと自己破壊衝動とか攻撃性とかそんな感じのアレです。ほら、X JAPANのYOSHIKIさんとかよくドラム破壊するじゃないですか、アレですよ。
まあそんな感じでセクシーなのキュートなのどっちがタイプかって話なんですが、この花嫁は両性具有たんなので少年性も意識して身体の線を描きました。先月のソアラより背も高いですし骨っぽいです。
190205_9.png左ソアラ、柔らかく丸い線を意識、右セイレンたん、直線的で少年性も少し加味


背景は連作なので同じものを使い回し流用しています。ソアラのほうが昼の海でセイレンたんのほうが朝の海です(夕方に見えるけど)。なぜかというと、昼は太陽しか出てないので昼だけで完結してるけど、早朝というのは前日の夜も引きずっているので、不穏さとか不安定さを含むということでこの背景にしています。
衣装が着物みたいなのは、彼女が直前まで現実でいう遊郭みたいなところで働いていたからで、このシーンは、吹っ切れた「侵蝕恋愛」の主人公ケイがセイレンたんを遊郭から連れ出して逃げたところ……という場面を想定してます。
190205_4.png

顔アップ、血が出てるのはケイが直前、噛みつくような口づけをしているからです。どーだcanariaさんのこの妄想力芸の細かさよ!
先月のソアラの絵が遠ざかっていくのに対し、今月のセイレンたんの絵は迫ってくるみたいに感じていただけたら嬉しいですね。
六巻にてセイレン(死の欲動そのもの)と共に生きていく決意をしたケイですが多分大二病を患ってたんだと思う。
そんなケイの大二病な様を見たいあなたはこちらをクリック!(唐突な宣伝1)

以下、過程を貼っていきますが、いつも通りあまり代わり映えしないので今回は特に解説なしです。

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さてさて、先月のキュートなソアラたんと今月のセクシー? なセイレンたんとどちらがお好きかコメント欄にて教えていただけると嬉しいです(^○^)
ではでは、ここまでお付き合いくださいましてありがとうございました〜!
  
2019-02-05 : ■イラスト : コメント : 9 :
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プロフィール

canaria

Author:canaria

オリジナルの世界観を絵や物語(小説)で表現しております。 千年相姦/ブログにて毎月1日と15日に連載中。 侵蝕恋愛/BOOTHにて随時刊行中。 空の終焉/未発表作品。

twitter_201804121400528e7.pngpixiv_20180412140049f9c.pngtinami_201804121400501ef.png

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Nymphe(ニンフェ)名義の本家HPです。ここを見て興味を持って頂けたらこちらも覗いて頂けると嬉しいです。

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無料ダウンロード頒布中。

92181778233ecfa0143b8e8a1ef4a33fbe9b-f.jpg
『侵蝕恋愛Ⅰ紅き瞳の双花』
この世に居場所のない二人は、互いに何を求め、何を互いに見いだしたのか。
160704_1.jpg
『侵蝕恋愛Ⅱ蜜月』
ケイは路地裏で出逢った両性具有の少女の「片割れの性」に溺れ込むーー。
『侵蝕恋愛Ⅲ孤児院日誌』
ファーンは明け方の海で亡き母に瓜二つの少女セイレンに出会うーー。
『侵蝕恋愛Ⅳ恋人たちの契約』
一冊の手記がケイを過去へとからめ取るーー。
hyoshi_7.jpg『侵蝕恋愛Ⅴ歴史の花冠』
『太陽の家』でケイが見たものとは。
181107_1.jpg
『侵蝕恋愛Ⅵ前夜祭』
『前夜祭』の狂乱の日々の中でケイが見いだした究極の答えとは。

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